kappiiのグリーフとか

32歳の時(2018年)に亡くした妻へのグリーフ

グッド・ネイバーを観た

ジャケットに騙された

「このジジイ、かなりヤバい」

いやいや、何を言ってるんだ。

日本版だけかも知れないが、ジャケット詐欺。

まあ、これがジャケ買いの醍醐味なのかもしれない。

概要は、少年たちが近所に住む老人に遠隔操作で悪戯(ドッキリ)を行うのだが、思った反応が得られず・・・。的な?

 

終始色んな意味で辛かった。ある意味ドキドキハラハラ。

色々と考えさせられる。色んな方向から。

 

観るなら前情報無しの方が良い。

そして自分は観ない方が良かったのかも知れない。

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↑日本版

 

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アメリカ版

 

 

以下、ネタバレあり。いつもは書かないけど、このブログ、グリーフ的な方向で書き留めておきたい。

 

少年たちの視点と老人の視点、そして両方かつ過去・未来を知る我々の視点。

グリーフということで、老人に着目して記載する。

 

少年たちが孤独な老人に対する嫌がらせを遠隔で行うのだが、この嫌がらせが意図せずに老人の心を揺さぶる事になる。

 

老人には先立たれた妻が居た。病気で亡くしている。病気の名前は分からないが、治る見込みは無く最期は自宅療養をしていたようだ。

嫌がらせが、妻との大切な思い出を思い浮かばせる、いや、あたかも妻が霊として存在するかの様な現象になっている。例えば少年たちは音楽プレイヤーを遠隔操作して老人を驚かそうとする。しかし老人には、その音楽プレイヤーは妻が病気と立ち向かう時に使われていたため、昔を思い出し、その時の風景が観えている。

老人は地下室に妻との思い出を集め、何時間もそこで時間を過ごす事もあったようだ。地下室だけは鍵をかけ、本当に大切にしていたのだろう。ずっと妻の事を考えているのであろう。

こんな事が何度も起きると、妻がそこに居るのではないかと思ってしまってもおかしくない。最後に致命的となったのは「ベル」。「ベル」は老人が妻に送った大切なプレゼント。寝たきりとなった妻がいつでも呼んで駆けつけられる様にするために。

少年は地下室に忍び込み、老人に見つかりそうになった時、逃げようとした混乱の中これを持ってきてしまった。そして困って適当なところに置いただけと思われる。だが老人視点では妻がそこに持って来て自分を呼んでいると思ってしまったのではないか。これが引き金となり、妻の霊の存在を確信し、妻を迎えに行くため自殺したのだろう。

 

結局老人は少年たちの嫌がらせを知らず、妻との思い出に耽っていたと思うと、とても辛い。自分も同じ事をされたら、老人と同じ事をするかもしれない。とても心を揺さぶられた映画でした。でも、もう観ないだろう。

 

少年たちの視点でも掘り下げる事が出来そうなので、思ったよりこの映画深いかもしれない。でもネットワークの断線は都合が良すぎないか?これにより少年たちがピンチに追い込まれる訳なのだが。本当は老人の妻の霊が・・・。は考え過ぎだろうか。