今週のお題「試験の思い出」
国家資格「第二種電気工事士」は一般電気工作物を工事するための資格。
一般電工作物とは家庭内の配線、コンセント、照明とか。
家庭内というと600V以下の工事にあたる。
電気工事の基礎の基礎だ。
実際に電気工事を行わなくとも何らかの工事に従事するならば、持っておいた方が良い資格。
受験資格とは特になく、試験内容も簡単。
一発合格する人も多いだろう。
だがしかし!!
わたしは最終的に3回受験することになってしまった。
試験は「筆記」「技能」に分かれている。
前回の筆記試験に合格していれば、筆記試験免除が可能。
基本的ににどちらも過去問を解いていれば合格は簡単。
筆記試験についてはオームの法則等の基礎を使うので、思い出す必要もあるかもしれないが、いずれも基礎の分類。
私も筆記試験については一度も落ちていない。
ただ、試験自体を3回受けたということは、筆記も2回受けている。
技能試験を2回落ちたことになる。
技能試験は工具、配線を使い実際に配線工事を行う。
練習のために工具と配線を実費で購入。
と、見せかけて工具は会社のを借りた。
配線は実費で購入して満足するまで練習。
基本的に過去問から出題されるので、練習さえしていれば問題ない。はずだった。
■一度目
ほぼ過去問と同じ配線図。
これならいける!
と思うも手が震える。
使う工具はドライバー、圧着工具、電工ナイフとか。
この電工ナイフを開くのが重い。
正直、会社で配線を剥くときはカッターナイフを用いている。
軽いし楽。
使い慣れていないのが悪かったか、電工ナイフの先っちょが手のひらを刺す。
試験中に血が出始める。
横を試験官が通る。
「何でもないですよ〜」風に試験を続ける。
しかし、試験に集中できなかったからか、そもそも練習量が足りないのかイマイチな出来栄え。
結果、不合格となる。
■二度目
ホームセンターで配線を大量に購入。
何度も練習を行う。
試験はほぼ開示されている12問(だったかな?)の中から出題される。
各2回以上練習する。
配線を剥き、繋げる際にパッチンパッチンと。
練習は家に帰ってから行っていた。
前妻が晩御飯を作っている間に練習を行う。
試験当日。
前妻が「あれだけパッチンパッチンやってたから大丈夫だよ!」と応援してくれる。
自分の中でも自信たっぷりだ。
いざ会場へ。
試験開始1時間前に到着イメージ。
あまり人がいない。
流石に早すぎたか。
会場回りの誘導係の人に止められる。
誘導係:受験の方ですか?
わたし:そうです!
誘導係:もう試験始まってますよ??
わたし:え!?
誘導係:どうしようか・・・。どうにもならないか・・・。次回頑張ってね。
わたし:分かりました。次、頑張ります!(う、嘘でしょ!??????)
誘導係の人が見えなくなる場所まで移動した後、改めて受験票を見る。
「あ・・・。1時間早くじゃなくて、1時間遅い・・・。」
とりあえず前妻に電話する。
前妻:どうしたの??
わたし:・・・。
前妻:何かあったの??
わたし:時間、間違えた・・・。
前妻:とりあえず帰っておいで。
わたし:うん・・・。
その後、空虚な気持ちで電車に乗ったのは覚えているが、それ以外は記憶にない。
帰宅後、前妻が優しい言葉をかけてくれた気もする。
そして美味しいものを食べに行った気もする。
■三度目
筆記試験は問題なく合格したので省略。
問題は技能試験だ。
練習も前回同様何度もした。
なんなら前回以上に行った。
そして一番重要な受験時間。
前妻にも確認してもらう。
ダブルチェックだ。
ドキドキしながら最寄駅へ。
正直、試験内容より時間が合っているかが心配だ。
だが、駅に到着し、会場に向かうほど人が多くなっているのを確認でき安心した。
会場の席を確認した後、前妻にも報告。
「ちゃんと着いたよ!」と。
試験自体は緊張もせず、テキパキ行う。
いつも通りパッチンパッチンと。
時間が余裕で余るほどの早さにて。
結果、合格。
トータル三度目にて試験に合格。
これ以降、試験時間にはいつも以上に気にするようになった。
また、「電気工事士」という単語を聞くたびに、自分の不甲斐なさと前妻の優しさを思い出すのであった・・・。