kappiiのグリーフとか

32歳の時(2018年)に亡くした妻へのグリーフ

(今週のお題「試験の思い出」)第二種電気工事士取得に苦労した話

今週のお題「試験の思い出」

 

国家資格「第二種電気工事士」は一般電気工作物を工事するための資格。

一般電工作物とは家庭内の配線、コンセント、照明とか。

家庭内というと600V以下の工事にあたる。

電気工事の基礎の基礎だ。

実際に電気工事を行わなくとも何らかの工事に従事するならば、持っておいた方が良い資格。

受験資格とは特になく、試験内容も簡単。

一発合格する人も多いだろう。

 

だがしかし!!

わたしは最終的に3回受験することになってしまった。

 

試験は「筆記」「技能」に分かれている。

前回の筆記試験に合格していれば、筆記試験免除が可能。

基本的ににどちらも過去問を解いていれば合格は簡単。

 

筆記試験についてはオームの法則等の基礎を使うので、思い出す必要もあるかもしれないが、いずれも基礎の分類。

私も筆記試験については一度も落ちていない。

ただ、試験自体を3回受けたということは、筆記も2回受けている。

 

技能試験を2回落ちたことになる。

技能試験は工具、配線を使い実際に配線工事を行う。

練習のために工具と配線を実費で購入。

と、見せかけて工具は会社のを借りた。

配線は実費で購入して満足するまで練習。

基本的に過去問から出題されるので、練習さえしていれば問題ない。はずだった。

 

■一度目

ほぼ過去問と同じ配線図。

これならいける!

と思うも手が震える。

使う工具はドライバー、圧着工具、電工ナイフとか。

この電工ナイフを開くのが重い。

正直、会社で配線を剥くときはカッターナイフを用いている。

軽いし楽。

使い慣れていないのが悪かったか、電工ナイフの先っちょが手のひらを刺す。

試験中に血が出始める。

横を試験官が通る。

「何でもないですよ〜」風に試験を続ける。

しかし、試験に集中できなかったからか、そもそも練習量が足りないのかイマイチな出来栄え。

結果、不合格となる。

 

■二度目

ホームセンターで配線を大量に購入。

何度も練習を行う。

試験はほぼ開示されている12問(だったかな?)の中から出題される。

各2回以上練習する。

配線を剥き、繋げる際にパッチンパッチンと。

練習は家に帰ってから行っていた。

前妻が晩御飯を作っている間に練習を行う。

試験当日。

前妻が「あれだけパッチンパッチンやってたから大丈夫だよ!」と応援してくれる。

自分の中でも自信たっぷりだ。

いざ会場へ。

 

試験開始1時間前に到着イメージ。

あまり人がいない。

流石に早すぎたか。

会場回りの誘導係の人に止められる。

 

誘導係:受験の方ですか?

わたし:そうです!

誘導係:もう試験始まってますよ??

わたし:え!?

誘導係:どうしようか・・・。どうにもならないか・・・。次回頑張ってね。

わたし:分かりました。次、頑張ります!(う、嘘でしょ!??????)

 

誘導係の人が見えなくなる場所まで移動した後、改めて受験票を見る。

「あ・・・。1時間早くじゃなくて、1時間遅い・・・。」

とりあえず前妻に電話する。

 

前妻:どうしたの??

わたし:・・・。

前妻:何かあったの??

わたし:時間、間違えた・・・。

前妻:とりあえず帰っておいで。

わたし:うん・・・。

 

その後、空虚な気持ちで電車に乗ったのは覚えているが、それ以外は記憶にない。

帰宅後、前妻が優しい言葉をかけてくれた気もする。

そして美味しいものを食べに行った気もする。

 

■三度目

筆記試験は問題なく合格したので省略。

問題は技能試験だ。

練習も前回同様何度もした。

なんなら前回以上に行った。

そして一番重要な受験時間。

前妻にも確認してもらう。

ダブルチェックだ。

ドキドキしながら最寄駅へ。

正直、試験内容より時間が合っているかが心配だ。

だが、駅に到着し、会場に向かうほど人が多くなっているのを確認でき安心した。

会場の席を確認した後、前妻にも報告。

「ちゃんと着いたよ!」と。

試験自体は緊張もせず、テキパキ行う。

いつも通りパッチンパッチンと。

時間が余裕で余るほどの早さにて。

結果、合格。

 

トータル三度目にて試験に合格。

これ以降、試験時間にはいつも以上に気にするようになった。

 

また、「電気工事士」という単語を聞くたびに、自分の不甲斐なさと前妻の優しさを思い出すのであった・・・。