タイトル:ファイナル・アワーズ
上映年:2015年
上映時間:86分
ジャンル:SF、スリラー
制作国:オーストラリア
概要:巨大隕石が海に墜落し、地球が滅亡するまであと12時間。地球最後の日、友人知人と馬鹿騒ぎをして人生を終えるつもりだったジェームズは、暴徒と化した人々が蔓延る中、パーティー会場へ向け車を走らせていた。途中、暴徒に捕まった少女を見かけ、ジェームズは仕方なしに彼女を暴漢から救出する。人類消滅の瞬間が迫る中、彼は彼女の父を一緒に探すことになった。
ジャケットの美しさで視聴を決めた。
荒廃感ある街並みを少女と男性が旅をする。
背景の光と緑に目を奪われた。
滅亡していく世界で自分は何をするか。
回避のできない世界で。
荒廃する世界の映画はたくさん観てきたが、終わりが決まっている映画は少ない。
最後に過ごす場所を探す男と父親を探す少女の旅。
まるでゲーム「ラストオブアス」だ。
また出た。
「荒廃した街」「ナイスミドル」「少女」「サバイバル」
この組み合わせがあるとすぐにラストオブアスを思い浮かべるのが悪い癖。
主人公は友人たちと合流する際中に男たちに襲われている少女を発見する。
少女は父親を捜しているという。
主人公は少女をほっとけず、代わりに面倒を見てくれる人をひとまず探す。
道のりはとても厳しく辛い旅。
道中、姉の家に立ち寄るが、みんな生きるのを諦めていた。
姉夫婦や姪っ子達。
静かになった家。
車を借り、次の目的地へと旅立つ・・・。
友人達は最後の時をパーティーをしながら迎えようとしていた。
ドラッグと肉欲の混沌の中で。
少女を助けてくれそうな人を探すが、そんなどころではない騒ぎ。
主人公は友人たちと喧嘩別れしたような形で、母親のところへ向かう。
母親の家に行くが主人公は嘘をつく。
姉の家に寄ったが、「出て行く」とメモが残っていたと。
これは優しさなのか・・・。
母親は主人公が少女を父親のところへ連れて行くのを止めない。
むしろ勧めた。
母としてはどんな気持ちなのか。
本当は最後の瞬間を一緒に居たいだろうに。
少女のことを優先したのか。
そんな旅が続いて行く。
少女の父親を探すために。
主人公は少女を父親の所に連れて行くことに生きる目的を見出しているではないか。
途中から、それほどの熱情を感じる。
「いっそ正気を失いたい。」
映画中に出てきた印象的な言葉。
「偶然だ。病気になるときにはなるんだ。」
少女のクラスメイトが白血病で亡くなったことを知った主人公のセリフも印象的。
作品に没入すればするほど、未来に絶望を感じてしまう。
それぞれが迎える最後の時。
みんながそれぞれの覚悟をする。
一緒に居たい人と過ごす人。
羽目を外す人。
欲望のままに過ごす人。
終始、困り顔で観た久々の作品。
泣きそうになったり、嫌な表情になったりと様々な感情ではあるが。
本当に思う。
最後の時は誰とどう迎えたいか。
私はパートナーと手を繋いで居たい。
肩を寄せ合い手を繋ぐ姿が思い浮かんだのだ。
切なさ、困惑、暴力と過激なところもある物語。
振り返れば、私は主人公と少女の関係がとても好きになっていました。
面白かったです。
しかし主人公ジェームズはムキムキ。
二股しているのが残念。